加工施設、再処理施設、特定第一種廃棄物埋設施設及び特定廃棄物管理施設の溶接の技術基準に関する規則
平成十二年総理府令第百二十三号
第一条
(定義)
この規則において使用する用語は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。
2 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 「加工第一種機器」とは、加工施設の化学処理施設、核燃料物質の貯蔵施設又は放射性廃棄物の廃棄施設に属する容器又は管のうち、プルトニウムの放射能濃度が三十七キロベクレル毎立方センチメートル以上の液体(以下「プルトニウム溶液」という。)を内包するものをいう。 二 「加工第一種容器」とは、加工第一種機器に属する容器をいう。 三 「加工第一種管」とは、加工第一種機器に属する管をいう。 四 「加工第二種機器」とは、加工施設に属する容器又は管のうち、加工第一種機器及び第七号に規定する加工第三種機器以外の容器又は管をいう。 五 「加工第二種容器」とは、加工第二種機器に属する容器をいう。 六 「加工第二種管」とは、加工第二種機器に属する管をいう。 七 「加工第三種機器」とは、加工施設に属する容器又は管のうち、次に掲げるものをいう。 八 「加工第三種容器」とは、加工第三種機器に属する容器をいう。 九 「加工第三種管」とは、加工第三種機器に属する管をいう。 十 「再処理第一種機器」とは、再処理施設の再処理設備本体又は放射性廃棄物の廃棄施設に属する容器又は管のうち、次に掲げるものをいう。 十一 「再処理第一種容器」とは、再処理第一種機器に属する容器をいう。 十二 「再処理第一種管」とは、再処理第一種機器に属する管をいう。 十三 「再処理第二種機器」とは、再処理施設に属する容器又は管のうち、次に掲げるものをいう。 十四 「再処理第二種容器」とは、再処理第二種機器に属する容器をいう。 十五 「再処理第二種管」とは、再処理第二種機器に属する管をいう。 十六 「再処理第三種機器」とは、再処理施設の再処理設備本体、製品貯蔵施設又は放射性廃棄物の廃棄施設のうち次に掲げる設備に属する容器又は管であって、セル内に設置されるもの(再処理第一種機器及び再処理第二種機器を除く。)をいう。 十七 「再処理第三種容器」とは、再処理第三種機器に属する容器をいう。 十八 「再処理第三種管」とは、再処理第三種機器に属する管をいう。 十九 「再処理第四種機器」とは、再処理施設に属する容器又は管のうち、再処理第一種機器、再処理第二種機器、再処理第三種機器及び第二十二号に規定する再処理第五種機器以外のものをいう。 二十 「再処理第四種容器」とは、再処理第四種機器に属する容器をいう。 二十一 「再処理第四種管」とは、再処理第四種機器に属する管をいう。 二十二 「再処理第五種機器」とは、再処理施設に属する容器又は管のうち、次に掲げるものをいう。 二十三 「再処理第五種容器」とは、再処理第五種機器に属する容器をいう。 二十四 「再処理第五種管」とは、再処理第五種機器に属する管をいう。 二十五 「廃棄第一種機器」とは、特定第一種廃棄物埋設施設又は特定廃棄物管理施設に属する容器又は管であって、ダクト以外のものをいう。 二十六 「廃棄第一種容器」とは、廃棄第一種機器に属する容器をいう。 二十七 「廃棄第一種管」とは、廃棄第一種機器に属する管をいう。 二十八 「廃棄第二種管」とは、特定第一種廃棄物埋設施設又は特定廃棄物管理施設に属する管のうち、ダクトをいう。
第二条
(特殊な方法による溶接)
この規則の規定によらないで加工施設、再処理施設、特定第一種廃棄物埋設施設及び特定廃棄物管理施設の溶接をすることにつき特別の理由がある場合にあっては、原子力規制委員会の認可を受けて、この規則の規定によらないで加工施設、再処理施設、特定第一種廃棄物埋設施設及び特定廃棄物管理施設の溶接をすることができる。
2 前項の認可を受けようとする者は、その理由及び溶接方法を記載した申請書に関係図面を添付して申請しなければならない。
第三条
(溶接部の強度及び耐食性)
溶接部は、母材の強度(母材の強度が異なる場合は、弱い方の強度)と同等以上の強度を有するものでなければならない。ただし、母材及び溶接材料に耐食性を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼を使用する溶接部であって、最高使用圧力が九十八キロパスカル未満のものにあっては、設計上要求される強度以上の強度を有するものとすることができる。
2 再処理第一種機器及び再処理第二種機器の溶接部であって、設計上耐食性を要求されるものは、母材の耐食性(母材の耐食性が異なる場合は、低い方の耐食性)と同等以上の耐食性を有するものでなければならない。
3 溶接部は、溶込みが十分であり、割れがなく、かつ、アンダーカット、オーバーラップ、クレータ、スラグ巻込み、ブローホール等で溶接部の強度及び耐食性を確保する上で有害なものがないものでなければならない。
第四条
(材料の制限)
加工施設に属する容器又は管の溶接に用いられる母材は、炭素含有量が〇・三五パーセント以下のものでなければならない。
第五条
(開先面)
加工施設に属する容器又は管の溶接における開先面及びその付近の母材の表面の水分、塗料、油脂、ごみ、有害なさび、溶けかすその他有害な異物は、溶接に先立ち、除去しなければならない。
2 裏はつりを行う場合は、溶込み不良部を完全に除去しなければならない。
第六条
(突合せ溶接による継手面の食い違い)
加工第一種機器、加工第二種機器及び加工第三種機器(第一条第二項第七号ロに規定するものに限る。)の突合せ溶接による継手面の食い違いは、次の表の第一欄に掲げる機器、同表の第二欄に掲げる継手の種類及び同表の第三欄に掲げる母材の厚さ(母材の厚さが異なる場合は、薄い方の厚さ)の区分に応じ、それぞれその区分に対応する同表の第四欄に掲げる値を超えてはならない。ただし、応力計算を行って構造上要求される強度を有することが明らかである場合は、この限りでない。
第七条
(継手の仕上げ)
加工施設に属する容器又は管の溶接部(第三項に規定するものを除く。)であって次条又は第十条第一項若しくは第二項の規定により非破壊試験を行うこととされているものの表面は、滑らかで、母材の表面より高く、又は母材の表面と同じ高さであり、かつ、母材の表面と段がつかないように仕上げなければならない。
2 加工施設に属する容器又は管の突合せ溶接による溶接部(次項に規定するものを除く。)であって次条又は第十条第一項の規定により放射線透過試験を行うこととされているものの余盛りの高さは、次の表の上欄に掲げる母材の厚さ(母材の厚さが異なる場合は、薄い方の厚さ)の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下でなければならない。
3 加工第一種機器の溶接部の接液面は、耐食性を著しく損なうおそれがある場合は、第一項に規定する表面の仕上げを行ってはならない。
4 前項の溶接部の接液面は、次の表の上欄に掲げる項目について、それぞれ同表の下欄に掲げる合格基準に適合するものでなければならない。ただし、構造上当該合格基準によることが著しく困難である場合は、この限りでない。
第八条
(溶接部の非破壊試験)
別表第一の区分の欄に掲げる区分(機器及び溶接部により区分されるものをいう。)のいずれかに該当する加工施設に属する容器又は管の溶接部は、当該区分に対応する同表の規定試験の欄に掲げる非破壊試験を行い、これに合格するものでなければならない。ただし、容器又は管の構造上当該試験を行うことが著しく困難である場合であって、当該試験の代わりに、当該区分に対応する同表の代替試験の欄に掲げる非破壊試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
第九条
(溶接部の機械試験)
別表第二の区分の欄に掲げる区分(機器及び溶接部により区分されるものをいう。)のいずれかに該当する加工第一種機器及び加工第二種機器(最高使用圧力が次に定める値以上のものに限る。)の突合せ溶接による溶接部は、当該区分に対応する同表の試験板の作成方法の欄に掲げる方法により作成した試験板について、別表第三の区分の欄に掲げる区分(機器及び溶接部により区分されるものをいう。)に応じ、それぞれ同表の試験の種類の欄に掲げる機械試験を行い、これに合格するものでなければならない。 一 液体用の容器又は管であって、最高使用温度がその液体の沸点未満のものについては、千九百六十キロパスカル 二 前号に規定する容器以外の容器にあっては、九十八キロパスカル 三 第一号に規定する管以外の管にあっては、九百八十キロパスカル(長手継手の部分にあっては、四百九十キロパスカル)
2 前項の機械試験は、別表第四の試験の種類の欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の試験片の欄に掲げる試験片を用い、同表の試験の方法の欄に掲げる試験の方法によらなければならない。
3 前項の機械試験を行った場合において、別表第四の試験の種類の欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の合格基準の欄に掲げる基準に適合するときは、これを合格とする。
4 第一項の機械試験を行い、別表第五の試験の種類の欄に掲げる試験に不合格となった場合において、それぞれ同表の再試験が行えるときの欄に該当する場合にあっては、当該不合格となった試験に用いられた試験片(別表第四の規定により分割する場合にあっては、分割された試験片)の試験板又はこれと同時に作成した試験板からとった別表第五の再試験片の数の欄に掲げる数の再試験片について、当該不合格となった試験の再試験を行い、これに合格するときは、これを当該不合格となった試験に合格したものとみなす。
第十条
(溶接部の耐圧試験等)
別表第六の機器の欄に掲げる加工施設に属する容器又は管の溶接部(ライニング型貯槽(コンクリート製の貯槽にステンレス鋼等の内張りを施した容器をいう。以下同じ。)の溶接部を除く。)は、同欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の試験圧力の欄に掲げる圧力で耐圧試験を行い、これに耐え、かつ、漏えいがないものでなければならない。ただし、容器又は管の構造上当該圧力で試験を行うことが著しく困難である場合であって、可能な限り高い圧力で試験を行い、これに耐え、かつ、漏えいがなく、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験又は浸透探傷試験のうちいずれか適当な非破壊試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
2 ライニング型貯槽の溶接部は、発泡試験(減圧法)による漏えい試験を行い、これに合格するものでなければならない。ただし、構造上漏えい試験を行うことが著しく困難である場合であって、浸透探傷試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
3 前項の漏えい試験は、別表第七の発泡試験(減圧法)の項の試験の方法の欄に掲げる方法によって行うこととし、同項の合格基準の欄に掲げる基準に適合するときは、これを合格とする。
第十一条
(非破壊試験の方法と合格基準)
第八条並びに前条第一項及び第二項の非破壊試験は、次の各号によらなければならない。 一 放射線透過試験にあっては、別表第八の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。 二 超音波探傷試験にあっては、別表第九の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。 三 磁粉探傷試験にあっては、別表第十の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。 四 浸透探傷試験にあっては、別表第十一の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。
2 前項の非破壊試験を行った場合において、次の各号に該当するときは、これを合格とする。 一 前項第一号の場合にあっては、別表第八の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。 二 前項第二号の場合にあっては、別表第九の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。 三 前項第三号の場合にあっては、別表第十の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。 四 前項第四号の場合にあっては、別表第十一の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。
第十二条
(突合せ溶接による継手面の食い違い)
再処理第一種機器、再処理第二種機器、再処理第三種機器及び再処理第四種機器の突合せ溶接による継手面の食い違いは、次の表の上欄に掲げる継手の種類及び同表の中欄に掲げる母材の厚さ(母材の厚さが異なる場合は、薄い方の厚さ)の区分に応じ、それぞれその区分に対応する同表の下欄に掲げる値を超えてはならない。ただし、応力計算を行って構造上要求される強度を有することが明らかである場合は、この限りでない。
第十三条
(溶接部の耐圧試験等)
別表第六の機器の欄に掲げる再処理施設に属する容器又は管の溶接部(ライニング型貯槽の溶接部を除く。)は、同欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の試験圧力の欄に掲げる圧力で耐圧試験を行い、これに耐え、かつ、漏えいがないものでなければならない。ただし、容器又は管の構造上当該圧力で試験を行うことが著しく困難である場合であって、可能な限り高い圧力で試験を行い、これに耐え、かつ、漏えいがなく、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験又は浸透探傷試験のうちいずれか適当な非破壊試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
2 再処理第一種容器及びライニング型貯槽の溶接部は、次の表の上欄に掲げる機器の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる漏えい試験を行い、これに合格するものでなければならない。ただし、ライニング型貯槽にあっては、構造上漏えい試験を行うことが著しく困難である場合であって、浸透探傷試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
3 前項の漏えい試験は、別表第七の試験の種類の欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の試験の方法の欄に掲げる試験の方法によって行うこととし、同表の合格基準の欄に掲げる基準に適合するときは、これを合格とする。
第十四条
(準用)
第四条、第五条、第七条から第九条まで及び第十一条の規定は、再処理施設に属する容器又は管の溶接について準用する。この場合において、第七条第一項中「第十条第一項若しくは第二項」とあるのは「第十三条第一項若しくは第二項」と、同条第二項中「第十条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、同条第三項中「加工第一種機器」とあるのは「再処理第一種機器及び再処理第二種機器」と、第九条中「加工第一種機器及び加工第二種機器」とあるのは「再処理第一種機器、再処理第二種機器、再処理第三種機器及び再処理第四種機器」と、第十一条中「前条第一項及び第二項」とあるのは「第十三条第一項及び第二項」と読み替えるものとする。
第十五条
(準用)
第四条、第五条、第七条第一項及び第二項並びに第八条から第十二条までの規定は、特定第一種廃棄物埋設施設又は特定廃棄物管理施設に属する容器又は管の溶接について準用する。この場合において、第九条中「加工第一種機器及び加工第二種機器」とあり、及び第十二条中「再処理第一種機器、再処理第二種機器、再処理第三種機器及び再処理第四種機器」とあるのは、「廃棄第一種機器」と読み替えるものとする。
第一条
(施行期日)
この規則は、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律第三条の規定の施行の日(令和二年四月一日)から施行する。
第二条
(加工施設の設計及び工事の方法の技術基準に関する規則等の廃止)
次に掲げる規則は、廃止する。 一 略 二 加工施設、再処理施設、特定第一種廃棄物埋設施設及び特定廃棄物管理施設の溶接の技術基準に関する規則(平成十二年総理府令第百二十三号)