犯罪による収益の移転防止に関する法律の規定に基づく事務の実施に関する規則

平成十九年国家公安委員会規則第九号

第一条

(目的)

この規則は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成十九年法律第二十二号。以下「法」という。)の規定に基づく事務に関し、適正かつ効果的な実施を図るため必要な事項を定めることを目的とする。

第二条

(定義)

この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 特定事業者法第二条第二項に規定する特定事業者をいう。 二 外国の機関法第十三条第一項に規定する外国の機関をいう。 三 疑わしい取引に関する情報法第十三条第一項に規定する疑わしい取引に関する情報をいう。 四 外国の機関の職務法第十四条第一項に規定する職務をいう。 五 意見陳述法第十九条第一項の規定による意見陳述をいう。 六 報告徴収法第十九条第二項の規定による報告又は資料の提出の求めをいう。 七 立入検査法第十九条第三項の規定による立入検査をいう。

第三条

(事務の実施の基本)

法の規定に基づく事務に従事する警察職員(以下この条において単に「警察職員」という。)は、その事務に関して知り得た情報を取り扱うに当たっては、特定事業者、顧客その他関係者の名誉又は信用を害することのないよう注意するとともに、当該情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

2 警察職員は、法により与えられた権限の行使に当たっては、特定事業者に対して無用な負担を課することのないよう注意しなければならない。

第四条

(通知の受理)

警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策第一課長(以下「組織犯罪対策第一課長」という。)は、法第八条第六項の規定による通知(以下この条、次条及び第十四条第一項第一号において単に「通知」という。)があったときは、当該通知に係る記録を作成するとともに、当該通知を行った者に対し、別記様式第一号により作成した受理書を交付しなければならない。

第五条

(保管等)

組織犯罪対策第一課長は、電子計算機を用いた検索ができるように、通知又は外国の機関からの提供があった情報(次項において「通知等に係る情報」という。)の整理及び保管を行わなければならない。

2 組織犯罪対策第一課長は、通知等に係る情報相互の関連性及び組織犯罪に関連する情報を総合的に勘案して、通知等に係る情報の分析を行わなければならない。

3 組織犯罪対策第一課長は、疑わしい取引に関する情報の保管に当たっては、当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るため必要かつ適切な措置を講じなければならない。

第六条

(捜査機関等への情報提供等)

法第十三条第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供は、取引の相手方及び態様、特定事業者が届出を行う理由その他の疑わしい取引に関する情報に係る事項を総合的に勘案し、検察官、検察事務官若しくは司法警察職員又は国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員、税関職員、徴税吏員、公正取引委員会の職員(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第百一条第一項の指定を受けた者に限る。)若しくは証券取引等監視委員会の職員(以下「検察官等」という。)による同項に規定する罪に係る刑事事件の捜査又は犯則事件の調査に資すると認められるときに行うものとする。

2 前項の場合において、検察官等(警察官を除く。)への提供は、当該提供の相手方と協議して定めた方法により行うものとする。

3 第一項の場合において、警察官への提供は、疑わしい取引に関する情報を記載し、又は記録した文書又は電磁的記録を提供することにより行うものとする。

4 組織犯罪対策第一課長は、第一項の提供に当たっては、当該提供に係る記録を作成しなければならない。

第七条

(記録の閲覧若しくは謄写又はその写しの送付)

組織犯罪対策第一課長は、法第十三条第二項の規定による疑わしい取引に関する情報の記録の閲覧又は謄写の求めがあったときは、当該求めを行った検察官等から別記様式第二号により作成した請求書を徴し、当該記録の閲覧又は謄写に当たっては、当該閲覧又は謄写に係る記録を作成しなければならない。

2 組織犯罪対策第一課長は、法第十三条第二項の規定による疑わしい取引に関する情報の記録の写しの送付の求めがあったときは、当該求めを行った検察官等から別記様式第三号により作成した請求書を徴し、当該記録の写しの送付に当たっては、別記様式第四号により作成した文書を添付して行うとともに、当該写しの送付に係る記録を作成しなければならない。

第八条

(外国の機関への提供)

法第十四条第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供は、取引の相手方及び態様、特定事業者が届出を行う理由その他の疑わしい取引に関する情報に係る事項を総合的に勘案し、外国の機関の職務の遂行に資すると認められるときに行うものとする。

2 第六条第二項及び第四項の規定は、前項の提供について準用する。

第九条

(抹消)

組織犯罪対策第一課長は、疑わしい取引に関する情報の刑事事件の捜査及び犯則事件の調査への活用の状況その他の事情を勘案して警察庁長官(以下「長官」という。)の定めるところにより、疑わしい取引に関する情報を抹消しなければならない。

第十条

(行政庁との連携)

国家公安委員会(以下「委員会」という。)並びに警視総監及び道府県警察本部長は、法第十九条に規定する権限の行使に当たっては、意見陳述が行政庁(法第二十二条第一項から第三項までに規定する行政庁をいう。以下この条において同じ。)による特定事業者の監督を補完することを旨とするものであることを踏まえ、監督する行政庁と緊密な連携を図るよう努めなければならない。

第十一条

(報告徴収の方法等)

報告徴収は、別記様式第五号の報告徴収書により行うものとする。

2 法第十九条第二項の規定による調査(以下単に「調査」という。)を書面により行うときは、別記様式第六号の照会書を用いるものとする。

3 立入検査は、報告徴収及び調査による方法のみでは意見陳述のため必要な資料を的確に入手することが困難である場合に限り行うものとする。

4 法第十九条第三項に規定する都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長は、調査又は立入検査により資料を入手したときは、速やかに、当該資料を組織犯罪対策第一課長に送付しなければならない。

第十二条

(行政庁に対する通知)

法第十九条第四項の規定による通知は、別記様式第七号の立入検査承認予定通知書により行うものとする。

第十三条

(意見陳述等)

意見陳述は、別記様式第八号の意見陳述書により行うものとする。

2 委員会は、報告徴収、調査及び立入検査(以下「報告徴収等」という。)の結果、意見陳述に代えて法第十七条の規定による指導、助言又は勧告をするよう行政庁に要請することが適当であると認めるときは、その旨の意見を付して文書で要請を行うものとする。

第十四条

長官は、委員会に対し、少なくとも毎年一回、次に掲げる事項を報告しなければならない。 一 通知並びに疑わしい取引に関する情報の保管、提供、記録の閲覧及び謄写並びにその写しの送付並びに抹消の状況 二 報告徴収等の実施状況 三 前二号に掲げるもののほか、法の施行に係る状況

2 前項の規定によるもののほか、長官は、委員会から、法の施行に関する事項について報告を求められたときは、速やかに、当該事項を報告しなければならない。

3 委員会は、必要があると認めるときは、法の施行に関する事項について必要な措置を講ずるものとする。

第十五条

(訓令への委任)

この規則の実施のため必要な事項は、長官が定める。

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