地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律 第五条
(歴史的風致維持向上計画の認定)
平成二十年法律第四十号
市町村は、歴史的風致維持向上基本方針に基づき、当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に関する計画(以下「歴史的風致維持向上計画」という。)を作成し、主務大臣の認定を申請することができる。
2 歴史的風致維持向上計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。 一 当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に関する方針 二 重点区域の位置及び区域 三 次に掲げる事項のうち、当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上のために必要なもの 四 第十二条第一項の規定による歴史的風致形成建造物の指定の方針 五 第十二条第一項の規定により指定された歴史的風致形成建造物の管理の指針となるべき事項 六 計画期間 七 その他主務省令で定める事項
3 前項第三号ロに掲げる事項には、次に掲げる事項を記載することができる。 一 次のイ又はロのいずれかに該当する歴史上価値の高い農業用用水路その他の農業用用排水施設であって、現に地域における歴史的風致を形成しており、かつ、当該農業用用排水施設の有する耕作の目的に供される土地の保全又は利用上必要な機能の確保と併せてその歴史的風致の維持及び向上を図ることが必要と認められるもの並びにその管理に関する事項 二 都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項に規定する都市公園(以下単に「都市公園」という。)の維持又は同条第二項に規定する公園施設(以下単に「公園施設」という。)の新設、増設若しくは改築であって、公園施設である城跡に係る城の復原に関する工事その他地域における歴史的風致の維持及び向上に寄与するものとして政令で定めるもののうち、当該市町村以外の地方公共団体が公園管理者(同法第五条第一項に規定する公園管理者をいう。以下同じ。)である重点区域内の都市公園について当該市町村が行おうとするものに関する事項 三 駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第三条第一項に規定する駐車場整備地区内に整備されるべき同法第四条第二項第五号の主要な路外駐車場(都市計画において定められたものを除く。以下「特定路外駐車場」という。)の整備に関する事項 四 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項に規定する市街化調整区域(以下単に「市街化調整区域」という。)内に存する遺跡で現に地域における歴史的風致を形成しているものに係る歴史上価値の高い楼門(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物(以下単に「建築物」という。)であるものに限る。)その他当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に寄与する建築物の復原を目的とする開発行為(都市計画法第四条第十二項に規定する開発行為のうち主として建築物の建築の用に供する目的で行うものをいう。第二十八条第一項において同じ。)又は建築行為(建築物の新築又は改築をいう。第二十八条第二項において同じ。)であって、当該建築物の用途からみて市街化調整区域内の土地において実施されることが適当と認められるものに関する事項 五 重点区域における歴史的風致の維持及び向上を図るため、電線をその地下に埋設し、その地上における電線及びこれを支持する電柱の撤去をし、又はこれらの設置の制限をすることが必要と認められる道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路又はその部分に関する事項
4 市町村は、歴史的風致維持向上計画に次の各号(当該市町村が地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市(以下単に「指定都市」という。)又は同法第二百五十二条の二十二第一項に規定する中核市(以下単に「中核市」という。)である場合にあっては、第四号を除く。)に掲げる事項を記載しようとするときは、その事項について、あらかじめ、当該各号に定める者(第一号、第二号及び第五号に定める者にあっては、当該市町村を除く。)に協議し、その同意を得なければならない。 一 第二項第三号ロに掲げる事項当該歴史的風致維持向上施設の整備又は管理を行う者 二 前項第一号に掲げる事項次のイ又はロに掲げる農業用用排水施設の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める者 三 前項第二号に掲げる事項当該都市公園の公園管理者 四 前項第四号に掲げる事項都道府県知事 五 前項第五号に掲げる事項当該道路又はその部分の道路管理者(道路法第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。)
5 市町村は、歴史的風致維持向上計画に第二項第三号イに掲げる事項を記載しようとするときは、その事項について、あらかじめ、当該文化財の所有者(所有者が二人以上いる場合にあってはその全員とし、文化財保護法第三十二条の二第五項(同法第八十条において準用する場合を含む。)、第六十条第三項(同法第九十条第三項において準用する場合を含む。)又は第百十五条第一項(同法第百三十三条において準用する場合を含む。)に規定する管理団体がある場合にあっては当該管理団体とする。)及び権原に基づく占有者(いずれも当該市町村を除く。)又は保持者(当該文化財が重要無形文化財(同法第七十一条第一項に規定する重要無形文化財をいう。第十二条第一項において同じ。)又は登録無形文化財(同法第七十六条の七第五項に規定する登録無形文化財をいう。第十二条第一項において同じ。)である場合にあっては、同法第七十一条第二項又は第七十六条の七第三項の規定により保持者又は保持団体として認定されている者)の意見を聴かなければならない。
6 市町村は、歴史的風致維持向上計画を作成しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、第十一条第一項の規定により協議会が組織され、又は文化財保護法第百九十条第一項若しくは第二項の規定により当該市町村の教育委員会若しくは当該市町村に地方文化財保護審議会が置かれている場合にあっては、当該協議会又は地方文化財保護審議会の意見を聴かなければならない。
7 歴史的風致維持向上計画は、都市計画法第六条の二第一項に規定する都市計画区域の整備、開発及び保全の方針並びに同法第十八条の二第一項に規定する市町村の都市計画に関する基本的な方針との調和が保たれたものでなければならない。
8 主務大臣は、第一項の規定による認定の申請があった歴史的風致維持向上計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。 一 歴史的風致維持向上基本方針に適合するものであること。 二 当該歴史的風致維持向上計画の実施が当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に寄与するものであると認められること。 三 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
9 主務大臣は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
10 主務大臣は、第八項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該市町村に通知しなければならない。
11 市町村は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る歴史的風致維持向上計画を公表するよう努めるとともに、当該通知を受けた旨を都道府県に通知しなければならない。