中央省庁等改革基本法

平成十年法律第百三号

第一条

(目的)

この法律は、平成九年十二月三日に行われた行政改革会議の最終報告の趣旨にのっとって行われる内閣機能の強化、国の行政機関の再編成並びに国の行政組織並びに事務及び事業の減量、効率化等の改革(以下「中央省庁等改革」という。)について、その基本的な理念及び方針その他の基本となる事項を定めるとともに、中央省庁等改革推進本部を設置すること等により、これを推進することを目的とする。

第二条

(中央省庁等改革に関する基本理念)

中央省庁等改革は、内外の社会経済情勢の変化を踏まえ、国が本来果たすべき役割を重点的に担い、かつ、有効に遂行するにふさわしく、国の行政組織並びに事務及び事業の運営を簡素かつ効率的なものとするとともに、その総合性、機動性及び透明性の向上を図り、これにより戦後の我が国の社会経済構造の転換を促し、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを基本として行われるものとする。

第三条

(国の責務)

国は、前条の基本理念にのっとり、中央省庁等改革を推進する責務を有する。

第四条

(中央省庁等改革の基本方針)

政府は、次に掲げる基本方針に基づき、中央省庁等改革を行うものとする。 一 内閣が日本国憲法の定める国務を総理する任務を十全に果たすことができるようにするため、内閣の機能を強化し、内閣総理大臣の国政運営上の指導性をより明確なものとし、並びに内閣及び内閣総理大臣を補佐し、支援する体制を整備すること。 二 国の行政が本来果たすべき機能を十全に発揮し、内外の主要な行政課題に的確かつ柔軟に対応し得るようにするため、次に掲げるところに従い、新たな省の編成を行うこと。 三 国の規制の撤廃又は緩和を進め、国と民間とが分担すべき役割を見直し、及び国と地方公共団体との役割分担の在り方に即した地方分権を推進し、これに伴い国の事務及び事業のうち民間又は地方公共団体にゆだねることが可能なものはできる限りこれらにゆだねること等により、国の行政組織並びに事務及び事業を減量し、その運営を効率化するとともに、国が果たす役割を重点化すること。 四 国の行政機関における政策の企画立案に関する機能とその実施に関する機能とを分離することを基本とし、それぞれの機能を高度化するとともに、組織上の分担体制を明らかにし、及びそれらに係る責任の所在を明確化すること。この場合において、政策の企画立案に関する機能を担う組織とその実施に関する機能を担う組織との緊密な連携の確保を図ること。 五 国の行政機関の間における政策についての協議及び調整の活性化及び円滑化並びにその透明性の向上を図り、かつ、政府全体として総合的かつ一体的な行政運営を図ること。 六 国民的視点に立ち、かつ、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた客観的な政策評価機能を強化するとともに、評価の結果が政策に適切に反映されるようにすること。 七 行政運営の透明性の向上を図るとともに、政府の諸活動を国民に説明する責務が全うされるものとすること。 八 国の行政機関(その内部組織を含む。)の編成に当たっては、内外の社会経済情勢の変化並びに行政需要及び政策課題の変化に柔軟かつ弾力的に対応し得る仕組みとすること。

第五条

(新体制への移行目標時期)

政府は、中央省庁等改革の緊要性にかんがみ、遅くともこの法律の施行後五年以内に、できれば平成十三年一月一日を目標として、中央省庁等改革による新たな体制への移行を開始するものとする。

第六条

(内閣総理大臣の発議権)

内閣総理大臣が、内閣の首長として、国政に関する基本方針(対外政策及び安全保障政策の基本、行政及び財政運営の基本、経済全般の運営及び予算編成の基本方針並びに行政機関の組織及び人事の基本方針のほか、個別の政策課題であって国政上重要なものを含む。以下同じ。)について、閣議にかけることができることを法制上明らかにするものとする。

第七条

(国務大臣の数)

内閣総理大臣以外の国務大臣について、複数省に関係する案件に関する総合調整等を担当する国務大臣が果たすべき役割にかんがみ、その総数を十五人から十七人程度とするよう必要な法制上の措置を講ずるものとする。

第八条

(内閣官房の基本的性格及び任務)

内閣官房は、内閣の補助機関であるとともに、内閣の首長としての内閣総理大臣の職務を直接に補佐する機能を担うものとする。

2 内閣官房は、内閣及び内閣総理大臣を補佐する機関として、閣議に係る事務等を処理するほか、国政に関する基本方針の企画立案、国政上の重要事項についての総合調整、情報の収集及び分析、危機管理並びに広報に関する機能を担うものとし、これらの機能を強化するため必要な措置を講ずるものとする。

3 内閣官房の任務に、国政に関する基本方針の企画立案を行うことが含まれることを法制上明らかにするものとする。

第九条

(内閣官房の組織の在り方)

内閣官房は、基本的に内閣総理大臣により直接選任された者によって運営されるべきものとし、このため、行政組織の内外から人材を機動的に登用することができるよう、必要な措置を講ずるものとする。

2 内閣官房の組織については、その時々の政策課題に応じ、柔軟かつ弾力的な運営が可能な仕組みとするものとする。

3 内閣総理大臣の職務を直接に補佐する体制を整備するため、内閣総理大臣補佐官及び内閣総理大臣秘書官の定数の在り方を弾力的なものとするほか、内閣官房の定数管理を柔軟なものとすることができるよう、必要な措置を講ずるものとする。

第十条

(内閣府の基本的な性格及び任務)

内閣府は、内閣に、内閣総理大臣を長とする行政機関として置かれるものとし、内閣官房を助けて国政上重要な具体的事項に関する企画立案及び総合調整を行い、内閣総理大臣が担当することがふさわしい行政事務を処理し、並びに内閣総理大臣を主任の大臣とする外局を置く機関とするものとする。

2 内閣府の任務及び機能(外局に係るものを除く。)は、おおむね次に掲げるものとする。 一 経済財政政策、総合科学技術政策、防災、男女共同参画その他の各省の事務に広範に関係する事項に関する企画立案及び総合調整 二 皇室、栄典及び公式制度に関する事務その他の内閣総理大臣が担当することがふさわしい事務の処理 三 沖縄対策(企画立案及び総合調整のほか、沖縄振興開発計画に関する事務及びその関係予算の一括計上に係る事務を含む。以下同じ。) 四 北方対策 五 消費者行政、物価行政及び市民活動を行う団体一般に関する行政 六 青少年健全育成行政に関する総合調整

3 各省庁が所掌している消費者行政に関する事務については、できる限り内閣府に統合するものとする。

4 宮内庁は、内閣府に置くものとする。

5 防衛庁及び国家公安委員会は、内閣府に、その外局として置くものとし、国務大臣をこれらの長とするものとする。

6 金融庁は、内閣府に、その外局として置くものとし、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえ、金融監督庁を改組して編成するものとする。 一 国内金融に関する企画立案を担うこと。 二 金融については、基本的に市場の自主性及び自律性にゆだね、行政の関与は必要最小限のものに限ること。 三 金融監督庁が各省と共同で所管している金融に関する検査及び監督の業務については、金融庁に一元化すること。 四 関係法律に基づく命令の立案に関する事務で金融監督庁と大蔵省等とが共同で所管しているものについては、できる限り単独で所管すること。 五 金融庁の地方組織の在り方について検討すること。

7 防衛施設庁は、防衛庁に、その外局として置くものとする。

8 内閣官房長官は、内閣府(防衛庁及び国家公安委員会を除く。)の事務を統轄し、その職員の服務を統督するものとする。

第十一条

(担当大臣)

内閣府の任務のうち国政上重要な特定の事項に関する企画立案及び総合調整について、国務大臣に、これを担当させることができるものとする。この場合において、当該国務大臣に強力な調整のための権限を付与するとともに、併せて、当該国務大臣がその任務を円滑に遂行することができるようにするため、関係する国の行政機関の間における協議及び調整の仕組みを整備するものとする。

2 沖縄対策及び北方対策については、前項の国務大臣に担当させるものとする。

3 金融庁が所管する事項については、第一項の国務大臣に担当させるものとする。

第十二条

(内閣府の組織の在り方)

内閣府の内部部局は、第十条第二項に規定する任務及び機能に係る事務を的確に処理できるよう組織するものとする。この場合において、沖縄対策については、その担当部局を設け、かつ、その任務及び機能を果たすため必要かつ十分な体制を整備するものとする。

2 内閣府の内部部局には、国政上重要な具体的事項に関する企画立案及び総合調整を行うため、必要に応じ、広く行政組織の内外から人材を登用するものとする。

3 内閣府に、経済財政政策、総合科学技術政策、防災及び男女共同参画に関し、国務大臣、学識経験を有する者等の合議により審議し、必要な意見を述べるための合議制の機関として、経済財政諮問会議、総合科学技術会議、中央防災会議及び男女共同参画会議を置くものとし、その任務及び構成員は、別表第一のとおりとする。

4 金融機関等の大規模かつ連鎖的な破綻等の金融危機への対応に関する重要事項を審議するため、内閣府に、内閣総理大臣、財務大臣、前条第三項の担当大臣、金融庁長官、日本銀行総裁等によって構成される合議制の機関を置くものとする。

5 原子力委員会及び原子力安全委員会は、内閣府に置き、その機能を継続するものとする。

6 経済企画庁に置かれている試験研究機関は、内閣府に移管し、内閣府の内部部局と連携して機能するようにするものとする。

7 沖縄総合事務局は、内閣府に置き、その機能を継続するものとする。

第十三条

(国の行政機関の幹部職員の任免についての内閣承認)

国の行政機関の事務次官、局長その他の幹部職員については、任命権者がその任免を行うに際し内閣の承認を要することとするための措置を講ずるものとする。

第十四条

(内閣機能の強化に関するその他の措置)

政府は、第六条から前条までに規定するもののほか、第四条第一号の基本方針の趣旨にのっとり、内閣機能を強化するため、内閣及び内閣官房の運営の改善を図るものとする。

第十五条

(新たな省の名称等)

第四条に規定する基本方針に従い新たに編成される省(以下「新たな省」という。)の名称、主要な任務及び主要な行政機能は、別表第二のとおりとするものとする。

第十六条

(内部部局及び外局)

内閣府及び新たな省(第四項第一号の委員会及び庁を含む。以下「府省」という。)の内部部局は、主として政策の企画立案に関する機能を担うものとする。

2 政府は、府省の内部部局の組織の編成に当たっては、その任務及び機能に即して、総合的かつ機能的な行政運営が可能となるようにするとともに、状況に応じて所掌事務を分掌して機動的に遂行する職の活用を図るものとする。

3 政府は、府省の内部部局の組織の編成に当たっては、一の府省の内部部局として置かれる局の数を基本として十以下とすることを目標とするものとする。

4 外局として置かれる委員会及び庁は、次に掲げるものを除き、主として政策の実施に関する機能を担うものとする。 一 内閣府の外局として置かれる委員会及び庁であって、法律で、国務大臣をもってその長に充てることとされるもの 二 特段の必要があり、主として政策の企画立案に関する機能を担うため、内閣府又は新たな省の外局として置かれる庁

5 新たな省に、その外局として置かれる委員会及び庁は、別表第三のとおりとする。

6 政府は、主として政策の実施に関する機能を担う庁(以下この条において「実施庁」という。)について、次に掲げる方針に従い、その業務の効率化を図るとともに自律性を高めるために必要な措置を講ずるものとする。 一 府省の長の権限のうち、実施庁の所掌する事務に係るもの(当該府省の企画立案に関する事務に密接に関連する権限その他当該府省の長の権限として留保する必要があるものを除く。)を、法律により、当該実施庁の長に委任すること。 二 前号の場合において、府省の長は、実施庁の長にその権限が委任された事務の実施基準その他当該事務の実施に必要な準則を定めて公表するとともに、実施庁が達成すべき目標を設定し、その目標に対する実績を評価して公表すること。 三 前二号の場合における府省の長の実施庁の業務についての監督は、前号に規定するものの範囲に限定することを基本とすること。 四 実施庁の長において、その内部組織をより弾力的に編成することができる仕組みとすること。

7 政府は、第四項第二号の庁が政策の実施に関する事務を行う場合には、実施庁に準じて、その運営の効率化を図るものとする。

第十七条

(総務省の編成方針)

総務省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 人事管理機能について、国家公務員制度に関する企画立案並びに内閣官房が策定する人事運用の基本方針を踏まえた政府全体を通ずる人事管理の方針、計画等に関する企画立案及び総合調整、各行政機関における人事管理施策の統一その他中央人事行政機関としての内閣総理大臣を補佐する機能を担うこと。 二 行政の評価及び監視の機能について、府省の関係部門との連携、客観的かつ公正な評価方法の確立、評価の迅速化、評価結果の公開及び府省の政策への反映、調査対象の拡充及び権限の明確化等その充実を図るとともに、当該機能を公共事業における費用効果分析の仕組みの確立及び実効性の確保のために活用すること。 三 統計行政について、次に掲げるところによること。 四 国の地方自治に関する行政機能の在り方については、地方自治が国の基本的な制度であり、かつ、地方自治を維持し、及び確立することが国の重要な役割であることを踏まえるとともに、地方分権の推進に伴い国の地方に対する機能を縮小することを基本とし、地方分権の推進の状況を勘案しつつ、中期的な観点にも立って、各省の関連する行政の見直しと併せて、次に掲げるところにより、国の地方公共団体に対する関与を必要最小限のものとするよう、その見直しを行うこと。 五 消防行政について、次に掲げるところによること。 六 電気通信行政及び放送行政については、当該行政に係る郵政省の機能を通商産業省との分担を変更しないで引き継ぐとともに、当該行政を担当する局を二局に再編して内部部局に置くこと。 七 郵政事業について、次に掲げるところによること。 八 公正取引委員会については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の厳正な執行を確保することの重要性にかんがみ、その審査体制等の充実を図ること。 九 日本学術会議については、総務省に置くものとするが、総合科学技術会議において、その在り方を検討すること。

第十八条

(法務省の編成方針)

法務省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 人権擁護行政について、その充実強化を図ること。 二 司法機能の充実強化の方策について更に検討するとともに、関係機関に対し必要な協力を行うこと。 三 行政審判機能の充実強化の方策及びこれを担う組織の在り方についての検討の支援を行うこと。 四 公安調査庁について、内外における諸情勢の変化に対応し、組織の減量を図るとともに、相当数の人員を在外における情報収集活動の強化及び内閣における情報の収集、分析等の機能の充実のために充てるものとするほか、破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)に基づく破壊的団体の規制の実効性を確保するなど、同庁の機能を見直すこと。 五 出入国管理機関について、税関、検疫機関及び動植物検疫機関との密接な連携を確保すること。

第十九条

(外務省の編成方針)

外務省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 総合的な外交政策の策定に関する機能を充実強化すること。 二 情報の収集、分析及び報告に関する機能を充実強化すること。 三 国際社会に広く影響を及ぼす国際約束等の策定に主体的に参画すること。 四 政府開発援助について、次に掲げるところによること。 五 対外経済政策について、通商政策機能等を担う関係省との間において、人事交流その他の協力体制の充実及び役割分担の明確化を図ること。 六 国際文化交流について、教育科学技術省との連携を更に緊密化すること。 七 安全保障について、外交政策と防衛政策を始めとした関係府省の政策との密接な連携を確保することにより、総合的な安全保障政策の構築を図ること。 八 地域に関するよりきめ細かな外交政策を推進するため、これを担当する局を適切な分担に再編すること。

第二十条

(財務省の編成方針)

財務省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 財政構造改革を推進すること。 二 財政投融資制度を抜本的に改革することとし、郵便貯金として受け入れた資金及び年金積立金(厚生保険特別会計の年金勘定及び国民年金特別会計の国民年金勘定に係る積立金をいう。)に係る資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)第二条に基づく資金運用部への預託を廃止し、並びに資金調達について、既往の貸付けの継続にかかわる資金繰りに配慮しつつ、市場原理にのっとったものとし、並びにその新たな機能にふさわしい仕組みを構築すること。 三 国際金融及び為替管理を担当する部門については、当面、財務省に置き、日本銀行の役割を含め、当該部門の在り方について検討し結論を得ること。 四 国と地方を通じた徴税の一元化については、地方自治との関係及び国と地方を通ずる税制の在り方を踏まえて更に検討すること。 五 徴税における中立性及び公正性の確保を図るため、税制の簡素化を進め、通達への依存を縮減するとともに、必要な通達は国民に分かりやすい形で公表すること。 六 税関について、出入国管理機関、検疫機関及び動植物検疫機関との密接な連携を確保すること。 七 財政投融資制度の改革及び国有財産管理事務の減量に伴い、これらを担当する局を整理する等内部組織を見直すこと。 八 金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関する企画立案については、その範囲を明確に定めるとともに、これに配置する職員の数は、必要最小限のものとすること。

第二十一条

(経済産業省の編成方針)

経済産業省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 経済構造改革を推進すること。 二 産業政策について、次に掲げるところによること。 三 通商政策及び貿易政策について、地域的又は多国間の枠組みによる新たな国際経済秩序の形成に積極的に貢献するとともに、産業に関する国際的な調整のための施策を展開すること。 四 中小企業政策について、中小企業の保護又はその団体の支援を行う行政を縮小し、地域の役割を強化するとともに、新規産業の創出のための環境の整備への重点化を図ること。 五 地域の経済及び産業を振興する施策について、地域の役割を強化し、国の関与を縮小すること。 六 エネルギー政策について、次に掲げるところによること。 七 技術開発について、国が政策的に行う必要がある重要なものへの重点化を図ること。 八 経済財政諮問会議における経済全般の運営の基本方針の審議に関し、産業政策、経済構造改革、民間経済の活力の維持及び強化を図る観点から必要な企画立案に参画すること。 九 情報通信に関する通商産業省の機能を郵政省との分担を変更しないで引き継ぐこと。 十 独占禁止政策を中心とした競争政策については、引き続き公正取引委員会が担うものとし、経済産業省の所管としないこと。 十一 大規模プロジェクト等による技術開発について、主として学術研究及び科学技術に関するものは教育科学技術省が担うことを踏まえ、主として商業化及び実用化に向けたものを経済産業省が担うこと。 十二 原子力に関する技術開発について、学術研究及び科学技術に関するものは教育科学技術省が担うことを踏まえ、エネルギーとしての利用に関係するものを経済産業省が担うこと。 十三 原子力のエネルギーとしての利用に関係する安全の確保のための規制については、一次的には経済産業省が行い、二次的審査は、引き続き、原子力安全委員会が行うこと。 十四 産業政策の転換を踏まえ、個別産業の振興を担当する局を整理する等内部組織を見直すこと。

第二十二条

(国土交通省の編成方針)

国土交通省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 総合的な国土の形成に向けた体系的な取組を推進すること。 二 社会資本の整備を整合的かつ効率的に推進すること。 三 施設の整備及び管理、運輸事業者による安全かつ効率的な輸送サービスの提供の確保その他の施策による総合的な交通体系の整備を行うこと。 四 運輸事業について、需給調整のための規制の撤廃等を通じて市場原理にゆだねることを徹底し、行政の関与を大幅に縮小すること。 五 所管行政の全般にわたり、地方分権推進委員会の勧告を着実に実施するとともに、さらに、地方公共団体への権限の委譲、国の関与の縮減等を積極的に進めるほか、徹底した規制緩和、民間の能力の活用等を図ること。 六 運輸省及び建設省に置かれた公共事業に関する事務を行う地方支分部局であって、その管轄区域が一の都府県を超えるものは、一の都府県の区域を超える各地方を単位として統合し、これに、その管轄区域における国土交通省が所掌する公共事業の実施及び助成、地方計画に関する調査及び調整、施設の管理、災害の予防及び復旧その他の国土の整備及び管理に関する事務を主体的かつ一体的に処理させること。 七 北海道開発庁の任務及び行政機能を引き継ぐものとし、その関係予算は、国土交通省に従前のとおり一括して計上し、北海道開発局は、同省に置くこと。この場合において、農林水産省が所掌する事業については、従前のとおり、同省に所要の予算の移替え又は繰入れをするとともに、農林水産大臣のみが北海道開発局長を指揮監督すること。 八 第四十六条に定めるところによる公共事業の見直しを行うとともに、入札及び契約に係る制度の一層の改善を進めること。 九 航空交通管制に用いる機器の整備等について、民間の能力を活用すること。 十 気象庁が行う気象情報の提供は国が行う必要があるものに限定するとともに、気象業務を行う民間事業者に対する規制は必要最小限のものとし、また、気象測器に対する検定等の機能は民間の主体性にゆだねること。 十一 社会資本の総合的な整備計画については、経済財政諮問会議の議を経るものとすること。 十二 交通安全行政について、関係府省の間における調整の中核としての機能を担うこと。 十三 船員労働行政を担うこと。 十四 小笠原総合事務所は、国土交通省に置き、その機能を継続すること。

第二十三条

(農林水産省の編成方針)

農林水産省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 食料の安定供給の確保の観点から、国、地方公共団体及び生産者の役割について、その分担の明確化を図ること。 二 農業生産、流通加工、農村及び中山間地域対策等における地方公共団体の役割について、その拡大及び地方分権の徹底を図ること。 三 消費者及び原料需要者の視点を重視すること。 四 生産性の高い農業を実現するための農業構造の改善を推進すること。 五 自由で効率的な農業経営の展開を可能とするための施策を推進するとともに、これに併せて生産者の所得を補償する政策への転換について検討すること。 六 国土及び環境の保全、景観の保全等の農林水産業のもつ多面的機能の位置付けを明確化すること。 七 第四十六条に定めるところによる公共事業の見直しを行うこと。 八 統計調査の実施において、地方公共団体及び民間の能力の大幅な活用を図ること。 九 森林行政について、環境行政との緊密な連携を確保すること。 十 食品行政について、労働福祉省との間の責任の分担を明確化するとともに、同省との緊密な連携を確保すること。 十一 農業構造の改善に係る公共事業については、真に食料の安定供給の確保に資するものに限り、必要やむを得ず整備するものについては、国土交通省との相互協議を通じ、同省が所管する公共事業との整合的な実施を図ること。 十二 農村及び中山間地域等の振興について、第二十八条に規定する政策調整のための制度の活用等により、他の府省の行政との総合性を確保すること。 十三 動植物検疫機関について、出入国管理機関、税関及び検疫機関との密接な連携を確保すること。

第二十四条

(環境省の編成方針)

環境省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 地球温暖化の防止等の環境行政における国際的な取組に係る機能及び体制を強化すること。 二 関係行政との間の調整及び連携の強化等を通じた環境行政の総合的展開を図ること。 三 大気、水質及び土壌の汚染規制、騒音規制等の公害を防止するための規制、環境の保全のための監視及び測定、公害に係る健康被害の補償等のための措置、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)に規定する廃棄物をいう。)に係る対策、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成四年法律第百八号)による規制(貿易管理に関するものを除く。)、野生動植物の種の保存並びにその他専ら環境の保全を目的とする制度並びに事務及び事業については、環境省に一元化すること。 四 化学物質の審査及び製造の規制、公害防止のための施設及び設備の整備、工場立地の規制、海洋汚染の防止、下水道等による排水の処理、環境中の放射性物質に関する監視及び測定、資源の循環的再利用の促進、オゾン層の保護、温室効果ガスの排出の抑制、森林及び緑地の保全、河川及び湖沼の保全、環境影響評価その他その目的及び機能の一部に環境の保全が含まれる制度並びに事務及び事業については、環境省が環境の保全の観点から、基準、指針、方針、計画等の策定、規制等の機能を有し、これを発揮することにより、関係府省と共同で所管すること。 五 他の府省が所管する事務及び事業について、環境の保全の見地から必要な勧告等を行うこと。 六 総合科学技術会議と密接に連携するとともに、第二十八条に規定する政策調整のための制度を積極的に活用することにより、環境行政における横断的な調整機能を十全に発揮すること。

第二十五条

(労働福祉省の編成方針)

労働福祉省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 社会保障制度の構造改革を推進すること。 二 少子高齢化等の社会の変化及び男女共同参画社会の形成に対応した労働政策と社会保障政策との統合及び連携の強化を推進すること。 三 社会福祉、保健、雇用等における地域の役割について、その強化を図ること。 四 労働関係の変化に対応し、その調整に係る行政を見直し、縮小すること。 五 公的年金制度の一元化を推進すること。 六 少子高齢社会への総合的な対応について、関係府省の間における調整の中核としての機能を担うこと。 七 医薬品についての安全性等の審査及び製造等の承認について、その透明性、客観性及び中立性を一層高めるため、体制の見直しを行うこと。 八 健康保険(政府が保険者であるものに限る。)、厚生年金保険、労働者災害補償保険及び雇用保険に係る徴収事務の一元化を図ること。 九 福祉サービスの分野において、民間の能力の活用及び利用者による選択の拡大を図ること。 十 職業紹介事業等に対する規制を緩和することにより、労働市場を通じた需給調整の機能の発揮を促進すること。 十一 薬事行政、公衆衛生行政、食品衛生行政及び水道行政は、労働福祉省が担うこと。 十二 保育所及び幼稚園について、教育科学技術省と連携してこれらの施設及び運営の総合性を確保すること。 十三 検疫機関について、出入国管理機関、税関及び動植物検疫機関との密接な連携を確保すること。

第二十六条

(教育科学技術省の編成方針)

教育科学技術省は、次に掲げる機能及び政策の在り方を踏まえて編成するものとする。 一 豊かな人間性の育成、教育制度の革新等を目指した教育改革を推進すること。 二 学術及び科学技術行政に関し、明確な目標の下に総合的、積極的かつ計画的な取組を強化するとともに、学術及び科学技術研究の調和及び総合性の確保を図ること。 三 総合科学技術会議の議により策定される科学技術に関する基本方針を踏まえ、研究開発に関する具体的な計画を策定し、その推進を図るとともに、これに基づく関係府省の間の調整を行うこと。 四 国立大学の組織、運営体制等の改革その他高等教育の改革を行うこと。 五 個性に応じた教育の多様化、地方の自主性の尊重等の観点から、初等中等教育行政の改革を行うこと。 六 生涯学習行政を推進すること。 七 文化行政の機能の充実を図ること。 八 国際文化交流については、外務省との連携を更に緊密化し、文化庁がより重要な役割を果たすこと。 九 大規模プロジェクト等による技術開発について、主として商業化及び実用化に向けたものは経済産業省が担うことを踏まえ、主として学術研究及び科学技術に関するものを教育科学技術省が担うこと。 十 原子力に関する技術開発について、エネルギーとしての利用に関係するものは経済産業省が担うことを踏まえ、学術研究及び科学技術に関するものを教育科学技術省が担うこと。 十一 幼稚園及び保育所について、労働福祉省と連携してこれらの施設及び運営の総合性を確保すること。 十二 青少年健全育成行政に関する総務庁の事務のうち、内閣府に移管する総合調整に関する事務以外の事務は、教育科学技術省が担うこと。

第二十七条

(総理府及び総務庁の所掌事務の帰属)

総理府及び総務庁が所掌している事務(第十条、第十五条及び第十七条から前条までの規定においてその帰属が明らかにされているものを除く。)については、その必要性について見直した上、内閣官房、内閣府又は総務省の事務とするにふさわしいものを除き、その事務の内容に最も関連の深い総務省以外の新たな省に担わせるものとする。

第二十八条

(府省間の政策調整等)

政府は、第四条第五号の基本方針に従い、次に掲げるところにより、府省間における政策についての協議及び調整(内閣府が行う総合調整を除く。以下この条において「政策調整」という。)のための制度を整備するものとする。 一 府省は、その任務の達成に必要な範囲において、他の府省が所掌する政策について、提言、協議及び調整を行い得る仕組みとすること。 二 内閣官房は、必要に応じ、調整の中核となる府省を指定して政策調整を行わせること等により、総合調整を行うこと。 三 関係府省の間において迅速かつ実質的な政策調整を行うための会議を機動的に開催する仕組みの活用を図ること。 四 政策調整の過程について、できる限り透明性の向上を図ること。

第二十九条

(政策評価等)

政府は、第四条第六号の基本方針に従い、次に掲げるところにより、政策評価機能の充実強化を図るための措置を講ずるものとする。 一 府省において、それぞれ、その政策について厳正かつ客観的な評価を行うための明確な位置付けを与えられた評価部門を確立すること。 二 政策評価の総合性及び一層厳格な客観性を担保するため、府省の枠を超えて政策評価を行う機能を強化すること。 三 政策評価に関する情報の公開を進めるとともに、政策の企画立案を行う部門が評価結果の政策への反映について国民に説明する責任を明確にすること。

第三十条

(審議会等の整理及び合理化)

政府は、審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する合議制の機関をいう。以下この条において同じ。)について、次に掲げる方針に従い、整理及び合理化を進めるものとする。 一 活動の実績が乏しい審議会等及び設置の必要性が著しく低下している審議会等は、基本的に廃止すること。 二 政策の企画立案又は政策の実施の基準の作成に関する事項の審議を行う審議会等については、次に掲げるところによること。 三 その他不服審査等を行う審議会等については、その必要性を検討し、必要最小限のものに限ること。 四 審議会等の委員の構成及びその資格要件については、当該審議会等の設立の趣旨及び目的に照らし、適正に定めること。 五 会議又は議事録は、公開することを原則とし、運営の透明性を確保すること。

第三十一条

(特別の機関)

政府は、国家行政組織法第八条の三に規定する特別の機関に関し、府省の編成に併せ、その目的、機能、組織の態様等を個別に検討し、各機関の必要性及び在り方について、その性格に応じた見直しを行うものとする。

第三十二条

(国の行政組織等の減量、効率化等の推進方針)

政府は、次に掲げる方針に従い、国の行政組織並びに事務及び事業の減量、その運営の効率化並びに国が果たす役割の重点化(第五十三条第三号において「国の行政組織等の減量、効率化等」という。)を積極的かつ計画的に推進し、その具体化のための措置を講ずるものとする。 一 国の事務及び事業の見直しを行い、国の事務及び事業とする必要性が失われ、又は減少しているものについては、民間事業への転換、民間若しくは地方公共団体への移譲又は廃止を進めること。 二 前号の見直しの結果、民間事業への転換、民間若しくは地方公共団体への移譲又は廃止を行わないこととされた事務及び事業のうち、政策の実施に係るものについては、第三十六条に規定する独立行政法人の活用等を進め、その自律的及び効率的な運営を図ること。 三 国の事務及び事業であっても、国が自ら実施する必要性に乏しく、民間に委託して実施する方が効率的であるものについては、民間への委託を進めること。 四 国の規制の撤廃又は緩和、国の補助金等(財政構造改革の推進に関する特別措置法(平成九年法律第百九号)第三十四条に規定する補助金等をいう。以下同じ。)の削減又は合理化その他行政の在り方の見直しを進め、民間及び地方公共団体に対する国の関与の縮減を図ること。

第三十三条

(郵政事業)

政府は、次に掲げる方針に従い、総務省に置かれる郵政事業庁の所掌に係る事務を一体的に遂行する国営の新たな公社(以下「郵政公社」という。)を設立するために必要な措置を講ずるものとする。 一 郵政公社は、第十七条第七号ロに定めるところによる移行の時に、法律により直接に設立されるものとすること。 二 郵政公社の経営については、独立採算制の下、自律的かつ弾力的な経営を可能とすること。 三 主務大臣による監督については、法令で定めるものに限定するものとすること。 四 予算及び決算は、企業会計原則に基づき処理するものとし、その予算について毎年度の国会の議決を要しないものとするほか、繰越し、移用、流用、剰余金の留保を可能とするなどその統制を必要最小限のものとすること。 五 経営に関する具体的な目標の設定、中期経営計画の策定及びこれに基づく業績評価を実施するものとすること。 六 前各号に掲げる措置により民営化等の見直しは行わないものとすること。 七 財務、業務及び組織の状況、経営目標、業績評価の結果その他経営内容に関する情報の公開を徹底するものとすること。 八 職員については、郵政公社を設立する法律において国家公務員としての身分を特別に付与し、その地位については、次に掲げるところを基本とするものとすること。

2 政府は、資金運用部資金法第二条第一項に基づく資金運用部への預託を廃止し、当該資金の全額を自主運用とすることについて必要な措置を講ずるものとする。

3 政府は、郵便事業への民間事業者の参入について、その具体的条件の検討に入るものとする。

4 政府は、郵便貯金への預入及び簡易生命保険への加入の勧奨を奨励する手当について、郵政公社の設立に併せて検討するものとする。

第三十四条

(国有林野事業)

政府は、国有林野事業に関し、次に掲げる改革を総合的かつ計画的に推進するものとする。 一 森林の有する公益的機能の維持増進を旨とする管理経営への転換、民間事業者への業務の委託の推進等による国有林野事業の業務運営の適正化 二 その職員数を業務に応じた必要最小限のものとするとともに、簡素かつ効率的な組織に再編することによる国有林野事業の実施体制の効率化 三 特定の債務を一般会計に帰属させること等による国有林野事業の財務の健全化

第三十五条

(造幣事業及び印刷事業)

政府は、造幣事業及び印刷事業について、その経営形態の在り方を検討するものとする。

第三十六条

(独立行政法人)

政府は、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要はないが、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるか、又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものについて、これを効率的かつ効果的に行わせるにふさわしい自律性、自発性及び透明性を備えた法人(以下「独立行政法人」という。)の制度を設けるものとする。

第三十七条

(法令による規律)

政府は、独立行政法人について、その運営の基本、監督、職員の身分その他の制度の基本となる共通の事項を定める法令を整備するものとする。

2 それぞれの独立行政法人の目的及び業務の範囲は、当該独立行政法人を設立する法令において明確に定めるものとする。

3 それぞれの独立行政法人を所管する大臣(次条において「所管大臣」という。)が独立行政法人に対し監督その他の関与を行うことができる事項は、法令において定めるものに限るものとする。

第三十八条

(運営の基本)

独立行政法人の運営に係る制度の基本は、次に掲げるものとする。 一 所管大臣は、三年以上五年以下の期間を定め、当該期間において当該独立行政法人が達成すべき業務運営の効率化、国民に対して提供するサービス等の質の向上、財務内容の改善その他の業務運営に関する目標(次号において「中期目標」という。)を設定するものとすること。 二 独立行政法人は、中期目標を達成するための計画(以下「中期計画」という。)及び中期計画の期間中の各事業年度の業務運営に関する計画(第七号において「年度計画」という。)を策定し、実施するものとすること。 三 独立行政法人の会計は、原則として企業会計原則によるものとするとともに、各事業年度において生じた損益計算上の利益は、これを積み立て、法令の定めるところにより、中期計画に定められた使途の範囲内において使用することができるものとする等弾力的かつ効率的な財務運営を行うことができる仕組みとすること。 四 国は、独立行政法人に対し、運営費の交付その他の所要の財源措置を行うものとすること。 五 独立行政法人の業務については、その実績に関する評価の結果に基づき、業務運営の改善等所要の措置を講ずるものとすること。 六 独立行政法人の職員の給与その他の処遇について、当該職員の業績及び当該独立行政法人の業務の実績が反映されるものとすること。 七 独立行政法人は、各事業年度において、業務の概要、財務内容、中期計画及び年度計画、業務の実績及びこれについての評価の結果、人員及び人件費の効率化に関する目標その他その組織及び業務に関する所要の事項を公表するものとすること。 八 所管大臣は、中期計画の期間の終了時において、当該独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他その組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずるものとすること。

第三十九条

(評価委員会)

独立行政法人の業務の実績に関する評価が、専門性及び実践的な知見を踏まえ、客観的かつ中立公正に行われるようにするため、府省に、当該評価の基準の作成及びこれに基づく評価等を行うための委員会を置くとともに、総務省に、府省に置かれる委員会の実施した評価の結果に関する意見の表明、独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃の勧告等を行う委員会を置くものとする。

第四十条

(職員の身分等)

独立行政法人のうち、その業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるものその他当該独立行政法人の目的、業務の性質等を総合的に勘案して必要と認められるものについては、法令により、その職員に国家公務員の身分を与えるものとし、その地位等については、次に掲げるところを基本とするものとする。 一 団結する権利及び団体交渉を行う権利(労働協約を締結する権利を含む。)を有するものとし、争議行為をしてはならないものとすること。 二 法令に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることがないものとすること。 三 給与、勤務時間その他の勤務条件に関する事項は、独立行政法人が中期計画に照らして適正に決定するものとし、団体交渉並びに中央労働委員会のあっせん、調停及び仲裁の対象とするものとすること。 四 定員については、行政機関の職員の定員に関する法律その他の法令に基づく管理の対象としないものとするとともに、職員の数については、毎年、政府が国会に対して報告するものとすること。

第四十一条

(労働関係への配慮)

政府は、それぞれの独立行政法人に行わせる業務及びその職員の身分等を決定するに当たっては、これまで維持されてきた良好な労働関係に配慮するものとする。

第四十二条

(特殊法人の整理及び合理化)

政府は、特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人(総務庁設置法(昭和五十八年法律第七十九号)第四条第十一号の規定の適用を受けない法人を除く。第五十九条第一項において「特殊法人」という。)について、中央省庁等改革の趣旨を踏まえ、その整理及び合理化を進めるものとする。

第四十三条

(施設等機関等)

政府は、施設等機関について、国として必要なもの以外のものについては、民間若しくは地方公共団体への移譲又は廃止を推進するほか、その必要性が認められるものについても、府省の編成に併せてその統合を推進するとともに、各施設等機関の性格に応じて独立行政法人への移行を検討するものとする。

2 政府は、国立大学が教育研究の質的向上、大学の個性の伸長、産業界及び地域社会との有機的連携の確保、教育研究の国際競争力の向上その他の改革に積極的かつ自主的に取り組むことが必要とされることにかんがみ、その教育研究についての適正な評価体制及び大学ごとの情報の公開の充実を推進するとともに、外部との交流の促進その他人事、会計及び財務の柔軟性の向上、大学の運営における権限及び責任の明確化並びに事務組織の簡素化、合理化及び専門化を図る等の観点から、その組織及び運営体制の整備等必要な改革を推進するものとする。

3 政府は、国立病院及び国立療養所に関し、国の医療政策として行うこととされてきた医療について、真に国として担うべきものに特化することとし、かかる機能を担う機関以外の機関の民間若しくは地方公共団体への移譲、統合又は廃止を推進すること等により、その再編成を一層促進するとともに、国として担うべき医療を行う機関の間の緊密な連携を阻害しないよう留意しつつ、高度かつ専門的な医療センター、ハンセン病療養所等特に必要があるものを除き、独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行うものとする。

4 政府は、国の試験研究機関について、府省の編成に対応して、次に掲げるところにより、その見直しを行うものとする。 一 その業務を国として本来担うべき機能にふさわしいものとし、その規模を適切なものとするとともに、その組織及び人員の効率化及び重点化を推進すること。 二 類似の研究を行っている機関、必要以上に細分化されている小規模な機関、地域別又は業種別の機関等その機能の見直しが求められる機関については、原則として廃止又は統合を行いつつ、国として総合的に取り組む必要のある重要な研究分野及び広範な行政目的に関係する横断的な研究分野を担う中核的な機関を育成すること。 三 その活動の自律性、柔軟性及び競争性を高めることを基本とし、その管理運営の仕組みの改善及び評価体制の確立を図るとともに、政策研究等の国が直接に実施する必要のある業務を行う機関以外の機関は、原則として独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行うこと。

5 政府は、検査検定機関について、その事業の必要性を厳しく見直し、民間への移譲及び廃止を推進するとともに、府省の編成に併せてその統合を推進するものとする。この場合において、事業の性質に応じて独立行政法人への移行を検討するとともに、国の事業として行うものについても、できる限り外部への委託を進め、その効率化を図るものとする。

6 政府は、文教研修施設(国立学校を除く。)及び作業施設について、国の行政機関としての必要性を見直し、その結果に基づき、民間事業への転換をはじめ、民間若しくは地方公共団体への移譲若しくは廃止又は府省の編成に併せた統合を推進するほか、行政機関の職員のみを対象とする研修施設以外のものの独立行政法人への移行等により、その運営の効率化を図るものとする。

7 政府は、矯正収容施設について、その特性を考慮しつつ、可能な限り、その運営につき効率化及び質的向上を進めるものとする。

第四十四条

(国の規制及び補助金等の見直し)

政府は、次に掲げる観点から、国の規制の見直しを行うものとする。 一 規制の在り方について、事前の規制から民間の自由な意思に基づく活動を重視したものに転換すること。 二 市場原理にゆだねることができる場合における経済活動に対する規制は廃止するとともに、その他の規制についてもその目的に照らして必要最小限のものとすること。 三 国際的な整合性の確保を図ること。 四 手続を簡素化するとともに、規制の実施に係る事務について、民間の能力の活用等により、その効率化を進めること。 五 基準の明確化、その公表等により国民に説明する責任を明確化すること。

2 政府は、次に掲げる観点から、国の補助金等の見直しを行うものとする。 一 地方公共団体に対するものについては、地方分権推進委員会の勧告に沿って、その削減又は合理化を推進すること。 二 事業等の振興又は助成を図るためのものであって、長期間の継続によりその効果が乏しくなっているもの又は少額なものは、原則として廃止すること。 三 補助の効果をできる限り客観的に評価して公表する仕組みを整備すること。

第四十五条

(地方支分部局の整理及び合理化)

政府は、次に掲げる方針に従い、地方支分部局の整理及び合理化のために必要な措置を講ずるものとする。 一 社会経済情勢の変化等を踏まえ、地方支分部局の事務及び事業の必要性を見直し、その再配置、統合及び廃止並びにその内部組織及び職員の定員の整理及び合理化その他必要な措置を講ずること。 二 府省の編成に併せ、一の府省に置かれ、その管轄区域が一の都府県の区域を超え又は道の区域である地方支分部局は、可能な限り、一の都府県の区域を超える各地方又は道の区域を単位として総合化すること。 三 府省の編成に併せ、一の府省に置かれ、その管轄区域が一の都府県の区域である地方支分部局は、管轄区域が当該都府県の区域を超える同種の事務及び事業を行う地方支分部局が存在しない場合には、可能な限り、当該都府県の区域を単位として総合化すること。 四 前二号の地方支分部局以外の地方支分部局は、可能な限り、整理すること。 五 各府省の地方支分部局がもつ地域の振興、施設の整備等に係る企画立案、調査、助言等を行う機能について、地方公共団体その他地域の必要に応じ、一の都府県の区域を超える各地方又は道の区域の単位ごとに調整する仕組みを整備すること。 六 地方支分部局が関与する許可、認可、補助金等の交付の決定その他の処分に係る手続について、できる限り、当該処分に係る府省の長の権限を当該地方支分部局の長に委任し、これらの手続が当該地方支分部局において完結するようにすること。

第四十六条

(公共事業の見直し)

政府は、次に掲げる方針に従い、公共事業の見直しを行うものとする。 一 公共事業に関し、国が直接行うものは、全国的な政策及び計画の企画立案並びに全国的な見地から必要とされる基礎的又は広域的事業の実施に限定し、その他の事業については、地方公共団体にゆだねていくことを基本とすること。 二 国が個別に補助金等を交付する事業は、国の直轄事業に関連する事業、国家的な事業に関連する事業、先導的な施策に係る事業、短期間に集中的に施行する必要がある事業等特に必要があるものに限定し、その他の事業に対する助成については、できる限り、個別の補助金等に代えて、適切な目的を付した統合的な補助金等を交付し、地方公共団体に裁量的に施行させること。 三 次に掲げるところにより、地方支分部局にその管轄区域内において実施される公共事業に関する国の事務を主体的かつ一体的に処理させること。 四 国の直轄事業の実施を担当する組織については、その業務を事業計画の決定等に重点化し、その他の業務は施工監理を含め民間への委託を徹底すること等により、業務の効率化を図ること。 五 社会資本の整備に関する計画等において主要な事業の実施場所等その具体的内容をできる限り明らかにすること、及び事業の実施の前後において、それぞれ、できる限り客観的な費用効果分析を行い、その結果を公表することにより、公共事業の決定過程の透明化及び評価の適正化を図ること。

第四十七条

(国の行政組織の整理及び簡素化等)

政府は、国の事務及び事業の減量、その運営の効率化並びに府省の編成を推進することにより、次に掲げるところに従い、国の行政組織の整理及び簡素化並びに定員の削減を行うものとする。 一 府省の編成の時において、府省の内部部局として置かれる官房及び局の総数をできる限り九十に近い数とすること。 二 府省の編成の時において、府省、その外局及び国家公安委員会に置かれる庁の内部部局に置かれる課及びこれに準ずる室の総数(次号において「課等の総数」という。)を千程度とすること。 三 府省の編成以後の五年間において、課等の総数について、十分の一程度の削減を行うことを目標とし、できる限り九百に近い数とするよう努めること。 四 府省の編成に併せ、行政機関の職員の定員に関する法律を改正するための措置を執るとともに、国の行政機関の職員(法律で定数が定められている特別職の職員及び国際平和協力隊の隊員を除く。)の定員について、十年間で少なくとも十分の一の削減を行うための新たな計画を策定した上、当該計画に沿った削減を進めつつ、郵政公社の設立及び独立行政法人への移行により、その一層の削減を行うこと。

第四十八条

(国家公務員制度の改革)

政府は、中央省庁等改革が行政の組織及び運営を担う国家公務員に係る制度の改革を併せて推進することにより達成されるものであることにかんがみ、政策の企画立案に関する機能とその実施に関する機能との分離に対応した人事管理制度の構築、人材の一括管理のための仕組みの導入、内閣官房及び内閣府の人材確保のための仕組みの確立、多様な人材の確保及び能力、実績等に応じた処遇の徹底並びに退職管理の適正化について、早期に具体的成果を得るよう、引き続き検討を行うものとする。

第四十九条

(中央人事行政機関の機能の分担の見直しの基本方針等)

政府は、中央人事行政機関としての人事院及び内閣総理大臣の機能の分担の在り方について、所要の見直しを行うものとする。この場合において、人事院について、人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護のためにふさわしい機能に集中するとともにその実効的な遂行が確保されることの重要性に配慮しつつ、内閣総理大臣について、各行政機関が行う国家公務員等の人事管理に関する事務の統一保持上必要な機能を担うものとし、総合的かつ計画的な人事管理、国家公務員全体について整合性のとれた人事行政等を推進するため必要な総合調整機能の充実を図るものとする。

2 政府は、各任命権者の人事管理に関する責任を明確化し、行政運営に即応した機動的かつ弾力的な人事管理を実現するとともに、人事行政を簡素化、効率化するため、所要の措置を講ずるものとする。

第五十条

(行政情報の公開等)

政府は、中央省庁等改革がその目指す目的を実現するためには行政機関の保有する情報の公開が欠くことのできないものであることにかんがみ、これを公開するための制度の確立及びその適切な運用の確保のため必要な措置を講ずるものとする。

2 政府は、政策形成に民意を反映し、並びにその過程の公正性及び透明性を確保するため、重要な政策の立案に当たり、その趣旨、内容その他必要な事項を公表し、専門家、利害関係人その他広く国民の意見を求め、これを考慮してその決定を行う仕組みの活用及び整備を図るものとする。

3 政府は、国の規制の撤廃又は緩和に伴い、司法機能の充実強化の方策について更に検討するとともに、行政庁と私人の間又は私人相互間の紛争を解決するための行政審判の機能がより重要になることにかんがみ、その充実強化の方策及びこれを担う組織の在り方について、検討するものとする。

第五十一条

(地方分権等)

政府は、中央省庁等改革が地方分権の推進並びに地方公共団体における行政及び財政の改革と密接に関連するものであることにかんがみ、次に掲げる措置を講ずるものとする。 一 地方公共団体に対し、自主的かつ主体的にその行政及び財政の改革を引き続き推進するよう要請するとともに、必要な助言等の協力を行うこと。 二 地方分権の推進について、地方分権推進委員会の勧告を尊重して着実にこれを実施し、及び地方行財政制度の改革について更に本格的な検討を進めること。

第五十二条

(中央省庁等改革推進本部の設置)

中央省庁等改革による新たな体制への移行の推進に必要な中核的事務を集中的かつ一体的に処理するため、内閣に、中央省庁等改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。

第五十三条

(所掌事務等)

本部は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 中央省庁等改革による新たな体制への移行の推進に関する総合調整に関すること。 二 内閣機能の強化、国の行政機関の再編成及び独立行政法人の制度の創設に関し必要な法律案及び政令案の立案に関すること。 三 国の行政組織等の減量、効率化等を推進するため必要な基本的な計画の策定に関すること。 四 前二号に掲げるもののほか、内閣府又は新たな省の組織に関する事項で内閣府令又は省令で定めるべきものに関すること。 五 前各号に掲げるもののほか、他の法令の規定により本部に属させられた事務

2 本部は、前項第四号に規定する事項について、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日前において、その機関の命令として中央省庁等改革推進本部令を発することができる。

第五十四条

(組織)

本部は、中央省庁等改革推進本部長、中央省庁等改革推進副本部長及び中央省庁等改革推進本部員をもって組織する。

第五十五条

(中央省庁等改革推進本部長)

本部の長は、中央省庁等改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。

2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

第五十六条

(中央省庁等改革推進副本部長)

本部に、中央省庁等改革推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。

2 副本部長は、本部長の職務を助ける。

第五十七条

(中央省庁等改革推進本部員)

本部に、中央省庁等改革推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。

2 本部員は、本部長及び副本部長以外のすべての国務大臣をもって充てる。

第五十八条

(幹事)

本部に、幹事を置く。

2 幹事は、関係行政機関の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。

3 幹事は、本部の所掌事務について、本部長、副本部長及び本部員を助ける。

第五十九条

(資料の提出その他の協力)

本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長並びに特殊法人の代表者に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。

2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

第六十条

(事務局)

本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。

2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。

3 事務局長は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。

4 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。

第六十一条

(設置期限)

本部は、その設置の日から起算して三年を経過する日まで置かれるものとする。

第六十二条

(主任の大臣)

本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

第六十三条

(政令への委任)

この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。

第一条

(施行期日)

この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条から第三条までの規定並びに次条及び附則第三十一条から第三十八条までの規定内閣法の一部を改正する法律の施行前の日で別に法律で定める日 二 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定公布の日

第三十条

(別に定める経過措置)

第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

第一条

(施行期日)

この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定公布の日